「明るい夜」
黒川創 著 文春文庫 刊
新聞の書評欄で紹介されてて気になったので読みました。
繊細な表現でありながら骨太なテーマ。
久々に出会った、じわじわ読後に湧き出してくる感動のある一冊です。
以下、帯の引用
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「わたし」25歳、京都・鴨川べり、築68年の洋館アパートに住む。
「彼」は、今日も、小説の最初の一行が書けない。
急に携帯も繋がらなくなったバイト先のウェイトレス仲間。
彼女はどこへ?
「わたし」は彼女の何を知っていたのだろう……
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写真を嗜む僕としては、好きな写真でもそうなんだけど
ひたすらそこにある風景・雰囲気を忠実に描写してて
その枠の外に想像力を膨らまされる力のある作品。
まさに、そんな感じの読後感でした。
登場人物はみんな、フリーターや在日外国人、リタイアした老人など
この社会の大通りからちょっと離れたところにいる人たち。
シンプルに”生きる”ってことを楽しみたい。
根拠はないけど、静かに前向きになれるような気がしてきました。
生活者としての京都の街の日常や、過疎の集落の慎ましい生活など
物語の舞台や時間軸は、行ったり来たりしてるけど
最後まで読めば、全て繋がります。
その瞬間にじわじわと静かに沸き上ってくる感動。
劇的に何かが起きたり、変化したりするわけじゃないけれど
そっと全てを包み込むような、大きくてやさしい視点の存在を意識させられました。
うーん、素晴らしい!この感覚を間接的に描き切っちゃうなんて。
なんとなく自分が、主人公の朋子の家族事情と似た部分もあって
その辺りが物語の世界に入っていきやすかったのかな。
帰るべき家もなくて、経済的に自立していても、ふわふわと生活してる感じ(笑)。
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