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2026/06/09 13:25 |
明るい夜


明るい夜

黒川創 著  文春文庫 刊


新聞の書評欄で紹介されてて気になったので読みました。

繊細な表現でありながら骨太なテーマ。

久々に出会った、じわじわ読後に湧き出してくる感動のある一冊です。


以下、帯の引用
*********************************

「わたし」25歳、京都・鴨川べり、築68年の洋館アパートに住む。

「彼」は、今日も、小説の最初の一行が書けない。

急に携帯も繋がらなくなったバイト先のウェイトレス仲間。

彼女はどこへ?

「わたし」は彼女の何を知っていたのだろう……


*********************************


写真を嗜む僕としては、好きな写真でもそうなんだけど

ひたすらそこにある風景・雰囲気を忠実に描写してて

その枠の外に想像力を膨らまされる力のある作品。

まさに、そんな感じの読後感でした。


登場人物はみんな、フリーターや在日外国人、リタイアした老人など

この社会の大通りからちょっと離れたところにいる人たち。

シンプルに”生きる”ってことを楽しみたい。

根拠はないけど、静かに前向きになれるような気がしてきました。


生活者としての京都の街の日常や、過疎の集落の慎ましい生活など

物語の舞台や時間軸は、行ったり来たりしてるけど

最後まで読めば、全て繋がります。


その瞬間にじわじわと静かに沸き上ってくる感動。

劇的に何かが起きたり、変化したりするわけじゃないけれど

そっと全てを包み込むような、大きくてやさしい視点の存在を意識させられました。

うーん、素晴らしい!この感覚を間接的に描き切っちゃうなんて。


なんとなく自分が、主人公の朋子の家族事情と似た部分もあって

その辺りが物語の世界に入っていきやすかったのかな。

帰るべき家もなくて、経済的に自立していても、ふわふわと生活してる感じ(笑)。
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2008/12/11 00:34 | Comments(0) | TrackBack() | 読書

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